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予知夢

2000年末から2001年前半の留学生活ラストスパートのこの時期には、たくさんの不思議なことが起こった。

「ある夜突然インスピレーションが降りてきた」とか、

「それに従って絵を描いたら、今までの苦悩が嘘みたいに、思うような作品が描けるようになった」とか、

「絵筆が勝手に動いて自分でも驚くような傑作ができた」とか、

「その絵がコンペティションで賞を取り、絵が売れたり、卒業制作展でいくつかの会社からオファーをもらった」とか、

神話かおとぎ話か偉大な画家の伝記にでも出てきそうなことが本当に起こったのだ。


不思議な夢も、この時期にはよく見ていた。

4年間に渡るイギリス留学生活の終わりを目前に控え、これからどうしよう、日本に戻るしかないか、と卒業後のことを考えていたとき。

夢の中に、突然何の脈絡もなく、はっきりと「dwell」の文字が出てきた。

「dwell」という言葉自体ほとんど使うこともなかったし、意味も何となくしかわかっていなかったので、気になって調べてみた。

現在では「live」と同様に使われているが、語源である古英語には、tarry、stay、delay、remain in a placeなどの意味があったらしい。

まさに「ここにとどまれ」「まだ帰るな」という夢のお告げ(?)だったのか。


他にも強烈だった夢がある。

優雅な猫足の白いバスタブで気持ちよく入浴していると、ふとバスタブの下の汚れが気になり、「このバスタブのお腹のほうは汚れてても見えないし掃除できないな」と思った。

次の瞬間、突然実家(という設定の4階建ての家)の床がすべて崩れ落ち、母がのんきに「屋台骨が折れちゃったのよ。知り合いの青木さんが警官をやってるから、連絡してみようかしら」と言っている。

その後意味不明のアルファベットが出てきて、並べ替えると「GEORGE DEATH」になる、という夢。目が覚めて何ともいえない不安に襲われた。


もう一つは、前の夢を見てすぐのこと。

私が地元の美味しいパン屋さん(アンデルセンだったかな?)でパンを選んでいると、もう一人の妹に「マリン(猫の名前)が死んでAちゃん(末の妹)がこんなに悲しんでるのに、お姉は冷たいね」と責められる夢。


その後すぐに、本当に実家の猫が死んでしまった。

棚から飛び降りたが着地に失敗して前足を骨折し、病院に連れて行ったがみるみるうちに壊死してしまい、足を切断すれば命に別条はないと獣医も含め誰もが信じていたのだが、手術後容体が急変してなんとその日のうちに亡くなってしまった。

当然、家族はみんなショックを受けていた。

獣医によると、遺伝の影響でもともと内臓が弱かったらしく、亡くなった時には、「よくこの状態で生きていた」と思われるくらい機能していない状態だったのだそうだ。

それまで大きな病気もせず、具合悪そうな様子を見せたこともなかったので、誰も内臓が弱いことなど予想できるはずもなく、防ぎようのない突然の死だった。


これを聞いて、すぐに夢を思い出した。

猫足の白いバスタブのお腹の汚れが気になったが掃除は無理だと諦めたこと(実家の猫は白猫だった)、その後すぐに家が崩れ、母が屋台骨が折れちゃったといっていたこと、DEATHという文字。

そしてその後のもっと直接的に猫の死を伝える夢。

こんなに細かく夢が伝えていたのに、まさかこれが現実になるとは夢にも思わなかった。



Incarnation

Excarnation

ここまで強烈で直接的な予知夢は、それ以来一度も見ていない。

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